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まちのこえ

2023年3月19日、第2回刈水デザインキャンプを実施しました。
様々な方にご参加頂き実施したグル
ープディスカッションで集まった「まちのこえ」をまとめています。

groupA
テーマ 地元の過去・現在・未来

参加者在住地/奈良県,雲仙市
参加世代/30代-50代

観光地としてのイメージ
昔のリゾートイメージ
・温泉地としての歴史 370-380年
・昔は歓楽街もあった
・街の灯りがなくなっていく
・外国人避暑地
・「温泉」と書いて、「うんぜん」と読む
・教科書にも出てくる歴史的場所
・雲仙普賢岳の魅力
・まちの中に2ヶ所の観光地

これからの観光とは
・ここにしかない体験を生む、例えば「温泉汲み」
・仕事付き長期宿泊を始めたらどうか
・”暮らし”を観光資源に
・”地元”、”家族・親戚”を感じれる体験
・誰かの”やりたい”を応援する
・雇用につなげる
(一部抜粋)

■総括■
テーマ【 地元の過去・現在・未来】と題してスタートしたグループディスカッションでは、計らずとも「観光」というキーワードを元に議論が展開した。開催地が雲仙市小浜町ということもあってか、2つの色の違う温泉地が存在し、片や外国人避暑地としても栄えた比較的高価な温泉地、片や昔から湯治の来訪者も多かった庶民の温泉地、またそれに付随して展開した商店街や交通などのインフラ、住宅地。幼少の記憶から観光と暮らしの場が近かったことから、観光の衰退はそこでの暮らし方に大きく影響しており、議論は常に観光と暮らしはセットであるように感じた。従来の観光を見直し、これからの観光とはどんなものか、思案することがこれからの暮らしの希望にもなり、生まれたキーワードが「仲間入り観光」。まさに暮らしと観光がセットになったような言葉で、とても身近なイメージを受ける。これまでの作られたサービスではなく、そこで積まれた暮らしをそのまま、サービスとして体験してもらう。他にはない、その土地ならでは魅力がきっと生まれるに違いない。

groupB
テーマ 温泉旅館のこれから

参加者在住地/佐賀県,雲仙市
参加者世代/20代-40代

雲仙市を支える産業の一つ、「温泉旅館」のこれからについて
・おもてなしは地域全体で
・地域の人とつながることで、伝えられる面白いストーリーが増える
・温泉が出ること=雲仙に人が集まれる理由の一つ→自然と人が集まる
・他立した自立
・小浜の面白い人に会いにいくミートアップツアーをもっと多様に
・「温泉」は生き物だという人もいる、実は知らないことが多い
・日常を感じる観光地

これからの温泉旅館とは
・旅館、ホテル同士で情報共有、その方法(SNSなど)
・雲仙にくる目的の多様性
・”宿泊”の多様性
・働く人の確保、仕事への愛
・働く人全員に名刺をつくる
・雇用につなげる

■総括■
テーマ【 温泉旅館のこれから 】と題してスタートしたグループディスカッションでは、雲仙市にある全ての旅館・ホテルに参加していただいた訳ではないが温泉のポテンシャル、土着的な温泉地として魅力はもうすでに確立されているように感じた。あとは各々の施設が独自の価値観とサービスをどのように展開していくか、地域や施設同士がどのように連携していくかは今後の鍵となりそうである。特に温泉地としての魅力はあるものの、groupAの視点に近く、温泉は良いが、その地でどのように暮らすのか、働くのかというのがこれからの課題にあがっていた。持続可能な温泉旅館を考えたとき、働いてくれるスタッフはとても重要だが、観光というものはキャリアにつながりにくく、長期で働きにくい=自立がしにくいというイメージがついている。
どの施設もスタッフ問題を抱えており、温泉旅館の働き方、関わり方に幅を持つことで、スタッフ問題の解消と同時に多様な雲仙への関わり方が生まれると、地域の魅力を発信にかけてはもう長けた方が大勢いるのだから、そこから移住・定住につながる可能性もある。

groupC
テーマ 小商いとデザイン

参加者在住地/福岡県,対馬市,佐世保市,諫早市,長崎市,南島原市,雲仙市
参加者世代/20代-50代

「小商い」と「デザイン」とは
・小さい事業者のコンパクトは関係、つながり
・外の人には見えない、多くのことが作用している
・デザインというものが単に仕事で完結せず、そのやり取りは友人、
 家族の域にまで達することも
・遠い距離ではなく近所付き合い
・基本は人と人の対話から生まれる
・人の魅力が人の連鎖を生む
・あるものを使う(キーパーソンも)
・愛着がわく

■総括■
テーマ【 温泉旅館のこれから 】と題してスタートしたグループディスカッションでは、共通するのは「小浜に移住者が増えているだけではなく、店や活動にデザインがしっかり入ることで街が盛り上がっているのに興味がある、そしてその秘訣を知りたい」という点だった。また、テーマである「小商い」を実際にされている方が多かった。普段の小商いの現場での話を伺うと、目の前の一人ひとりに対してしっかり商品やサービスを説明したり、逆にお客さんからの様々な声を受け止めて自身の商売に活かすという、事業者とお客さんのダイレクトな対話を軸にした仕事のあり方があり、それは小商いならではの良さであるというのが共通意見だった。

また、自分の店だけが儲かるだけでは商売は持続しない思いから、街全体を盛り上げるために意識的に友人の店や町の散策コースをお客さんに
紹介しているという、地域の魅力を知ってもらうために「小浜デザインマーケット」を参考に地域マルシェイベントを立ち上げた方もいた。
これらの行いは「地域の魅力」という目に見えない概念的なもの(ネットで調べたり観光するだけでは分かりにくい)をいかに表現して広く
伝えていくかの試行錯誤だが、ここに現状(課題)と未来(理想)を見据えてアクションを起こしていくという広義のデザインマインドと
振る舞いを感じた。

一方で、小浜は「とりあえず大きなデザイン会社に丸投げする、みたいな事業者がいないのがいい」という意見も上がった。先述のデザインマインドを持った事業者は、適宜デザイナーに発注することもあるが、基本的には自分で自分の店や街のあり方(理想)をイメージし、自分で制作や行動にチャレンジすることの方が多いようだった。この論点からグループCに集まったメンバーが小浜に魅力を感じる理由を紐解いていくと、小浜は「見た目のデザイン」がいい店がたくさんあるというよりは、上記の「広義のデザインマインド・振る舞い」をしている事業者=魅力的な人が集まっているという点に特徴があり、それがさらに同じようなマインドを持っている魅力的な人を呼び込んでいるのではないか、という仮説が出た。

そんな魅力的な人が集まる雲仙にできること(こんな事をやったらいいんじゃないか)は、「つなぎ方の作り方」ではないか、という結論に至った。友人の店や散策コースをお客さんに紹介しているように、魅力の点同士をつなぎ、10の点を10以上の魅力にしていくことができるはずだ。その方法は、おばまミートアップガイドのように紙やウェブ媒体でビジュアル化する方法もあれば、既に実践しているようにお客さんへの一声により街の魅力を伝えていく方法もある。まちの大きさに対して、商いの大きさや数はその周辺環境と相まって調和のとれたバランスがあるように感じる。それぞれの様々な方法で魅力の点同士を繋いでいくことで、それがより広く深く伝わっていく町にしていきたい。

groupD
テーマ 暮らしやすいまち

参加者在住地/石川県,京都府,雲仙市,南島原市
参加者世代/20代-50代

雲仙市の住環境について
・地域内で循環するまち
・離れていても地元に見守られている
・外からの人警戒
・多様な遊びを許容してくれる公園
・子どもらしくなれるまち
・地元で昔からある人のたまり場をもっと明快に
・家の外で相談できる場所
・名前のない空間
・いろんなコミュニティを誘発できる空間
・外からの人警戒
・可能な限り自給自足
・大企業誘致がないのが良い
・高校生以上で地元に帰って来づらい
・家の外で相談できる場所
・道路が危ない
・小児科がない(基本40-50分かけていく)
・老人や児童施設の間に大きな道路がある

■総括■
テーマ【 暮らしやすいまち 】と題してスタートしたグループディスカッションでは、これからの暮らしがこうあったらいいという意見が交わされた。大きくはやはり「子育て」と「老後の暮らし」、またそれら世代間をつなぐ場所や仕組みといったところである。こどもが遊ぶ場所、これは何も公園じゃないといけないわけではなく、昔は機能も名前もない原っぱや空き地も多くそこで遊んでいたが今は機能が制限されている場所も多く、こどもの自由度を許容できる場所が少ないとのことだった。
また観光に付随した施設や場所はあっても市民が日常で活用できる場所が以前に比べ少なくなったように思う、それも規制のせいか、世代のせいか、いずれにせよその当時の記憶からその時の風景はよかったという意見が多かった。自分たちのまちがどこを目指しているのかイメージできないという人も多かった。つくることとつくらないことのバランスが難しいが、これまで多様な暮らしを成立させるのに一役買っていたのは、そういうつくらなかった場所、まちの余白と言える場所に自然発生した人間関係だったりもする。ここでは出なかったが、まちの銭湯も実はその良い例のように思う。一日の振り返りや意見交換、健康状態をその場にいる方々と世代をこえて共有する。井戸端会議ならぬ「湯端会議」である。人が家の外で交流できるスペース、いつ、どこで、どんな形で存在させるか、これからは空き地になるのではなく、意図的に空き地をつくることも必要となるかもしれない。

刈水デザインキャンプ | 長崎県雲仙市

KARIMIZU DESIGN CAMP

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