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第1回 刈水デザインキャンプ  2022.07.16
https://karimizudesigncamp.peatix.com

書籍『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる』(学芸出版社)の出版イベントと、「耕す。デザイナー城谷耕生の仕事」のトークイベントを合同開催。長崎県雲仙市小浜町を拠点に活動した城谷耕生の仕事と、小浜町刈水地区における「地域×デザイン」の実践について深掘りしていきます。

1部│13:00-14:30
『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる』
出版記念トークin長崎

2部│14:50-16:20
耕す。デザイナー城谷耕生の仕事
「城谷耕生の仕事とプロジェッタツィオーネ」

3部│16:40-18:10
耕す。デザイナー城谷耕生の仕事
「刈水地区の今とこれから」


●書籍『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる』(学芸出版社)とは
わずかな予算、想定外の作業、地域の付き合い。そんな状況をおもしろがり、顔の見える関係で仕事したり、自ら店に立ったり、販路を見つめ直したり、その土地だからできるデザインを生む。きっかけ、仕事への姿勢、生活の実際、これからの期待を本人たちが書き下ろす。

●「耕す。デザイナー城谷耕生の仕事」とは
2020年12月に夭折したデザイナー、城谷耕生の仕事を広く知ってもらい対話の場を生み出すことを目に、2021年秋に構成された有志による非営利の実行委員会「耕す。実行委員会」で行うイベント。東京のアクシスギャラリーにて今年3月に行った”「耕す。」トークイベント”に続き、「耕す。」展の実現へ向けて始動している。




■イベント後総括■
第1回刈水デザインキャンプでは、 書籍「おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる」、「耕す。デザイナー城谷耕生の仕事」をテーマに、日本各地で広がっている地域のまちづくりの模様、また雲仙市小浜町に拠点を置きデザイン活動を通して豊かな暮らしを実践・提唱されていた城谷耕生氏のこれまでの活動と残したものについて話を広げていきました。

回を終えて、各地で起きている「まちを再考する」という動きは、住民の少子高齢化、過疎化、後継者不足、空家・空地の増加などそれまで人が集まることができていた地域が、なんらかの理由で限界が見えてきている土地ほど早くに着手し、それは得てして自然発生的に、もしくは半ば強制的に新しいものの流入を促し、それまであったものとの編み直し、または世代交代という動きが打開策として進んでいるようにも見えます。

2012年の震災以後、なぜそこで暮らすのか?という問いかけが生まれ、それに対し都市から地方へ、定住から移住へという動きが広まり、コロナ禍ではリモートワークなど生業に対して多様な試みが生まれたりと、この10年、価値観は大きく揺らぎ、今後ますます加速しながら、その土地土地での暮らしの変化が予想されます。時代の前後を鑑みながら、「今の暮らし方」を調整する動き、その土地の魅力、暮らす人々、経済や環境との関係性、抱える課題に対してその土地の人間が考え、表現・行動していかなくてはならない。そこに確固たる答えはなく、またどこかで完結するものでもありません。どんな暮らしをしている人でも、何となく「私たちはこれからどのように生きていくのか」という問いは持つべきもので、それに対してどう向き合っていくのか、という姿勢は「持続するまち」を考える上で最低限継承すべきもののように感じます。

デザイナー城谷耕生氏はイタリアで過ごした経験から、日本に戻る際、都市部で暮らすことを選ばず、故郷である雲仙市小浜町に暮らしの拠点を決めました。デザインといえば、大都市で行うことが当たり前だった当時、城谷氏はデザインがこれまでのように経済成長を前提とし、都市部で生まれ、発信され、享受されるだけで終わらず、地方の町村においてこそ、その力が活かされれば地方文化の衰退を抑え、逆にもともとあった土着文化の地産地消を促し、しいては持続可能な文化的営み、社会を生むことができると考えていました。人と環境が相互に補完でき、かつ気持ちよく生きていく方法を考える事の積み重ねの結果がその土地での暮らし方であり、それ自体が人がその土地を訪れる・滞在する魅力にもなる。城谷氏が主催するStudioShirotaniから生まれた「刈水庵」という店舗はその潮流の中で生まれた旗艦店でもあり、その流れは今もなおまちに広がり続けています。

今回、雲仙市をはじめ、全国的にも前向きな変化が生まれている地域やそこで躍動している人たち、その空気感を少しですが感じることができた様に思います。その土地での暮らし方、人・環境との付き合い方、また地方間のつながりは今後ますます重要となり、そこからよりよりまちを形成するための、暮らしに必要な「もの」や「こと」にこれからもチャレンジしていけたらと思います。

 

刈水デザインキャンプ | 長崎県雲仙市

KARIMIZU DESIGN CAMP

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